研究課題
若手研究
アフリカでは1980年代以降、教会系の組織が社会開発に積極的に従事していることが注目を集めている。しかし、実際には教会の開発へのかかわりは19世紀まで遡ることができる。とくに、アフリカの多くの国々が独立を達成した1960年代以降の時期に、各国政府が総合的な開発計画を推進すると、教会はそれへの関与を深めていった。本研究は、ケニア南部のカジアド県でケニア聖公会が運営していたマサイ農村訓練センターの活動を事例として、教会がポスト植民地期の開発にどのようにかかわったのか、そしてその活動によって教会は国家や地域社会とどのような関係を築いたのかを、史料調査とフィールドワークによって明らかにする。