研究課題
挑戦的研究(開拓)
染色体末端を構成するテロメアDNAは細胞分裂の度に短縮する。テロメアDNAが限界まで短くなると細胞は増殖を停止する。つまり、テロメアDNAの長さが細胞の分裂回数や寿命を規定する。異常増殖する癌細胞ではテロメア伸長経路が活性化することでテロメアDNAが維持される。一方で、癌細胞に限らず、生き物は世代を超えて半永続的に増え続けるため、個体レベルでも世代を超えてテロメアDNAが維持される。本研究は、世代時間が3日と短い多細胞真核生物である線虫を用いて、経世代的テロメアDNA維持の分子メカニズムの解明に挑戦する。本研究は、生殖細胞が不死性を獲得し、種が存続するための根本原理の理解に繋がると考えられる。