| 研究課題/領域番号 |
24K21332
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| 研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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| 研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
葛谷 俊博 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00424945)
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| 研究分担者 |
濱中 泰 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20280703)
松島 永佳 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30578026)
澤口 直哉 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40357174)
澤田 研 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50304308)
馬渡 康輝 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40422000)
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| 研究期間 (年度) |
2024-06-28 – 2029-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
2028年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2027年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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| キーワード | 廃ガラス / アップサイクリング / 金属吸着能 / 固体塩基触媒 / ナノ構造 / 自動車廃ガラス / ナノ構造体 / セリウム / 高機能ガラス |
| 研究開始時の研究の概要 |
多種多様なガラス添加元素は自動車廃ガラスのリサイクルを一層困難にしている。本研究では従来のガラスリサイクルプロセスでは邪魔者であったこれらの添加元素を積極的に利用することで自動車廃ガラスを機能性ガラスへ転化する。自動車廃ガラスをアルカリ溶液に浸漬する単純なプロセスで、これらの添加元素を主成分とするナノ構造体でガラス表面を修飾する。ナノ構造体が発現する触媒能や抗菌性、イオン交換能など多彩な表面機能を活かし、自動車廃ガラスを観光や農水産業、建築、環境に資する高機能ガラス製品へのアップサイクリングを目指す。
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| 研究実績の概要 |
エッチング液には水酸化ナトリウム水溶液を使用し、エッチング条件を変化させナノ構造体の形態や組成に与える影響を調べた。エッチングした試料ガラス片を電子顕微鏡や原子間力顕微鏡により観察した。その結果、表面に層状構造を有する析出物が形成されるのを確認した。X線光電子分光法やSTEM-EDX分析により表層にはMgが濃縮されておりその内部にCeなどの遷移元素が分布していることがわかった。これは溶解度の差、または層状化合物形成後に溶出した遷移元素が層間に吸着するためと考えられる。また表面に形成される析出物を電子線回折法で同定したところMgとSiを主成分とする粘土鉱物であった。次にガラスを粉砕し75 μm以下の粉末を様々な条件でエッチングした。ガス吸着法により比表面積を測定したところ1 Mの水酸化ナトリウム、50℃、96時間で28 m2/gとなった。CO2の脱離温度を調べることで、エッチング後のガラス表面の塩基性を評価したところ強塩基サイトの形成を確認できた。 次にエッチング処理したガラスの機能について検討を行った。銀、カドミウム、鉛、ネオジウム、ホウ素(ホウ酸)を10 ppmに希釈し吸着実験に使用した。この結果、処理したガラスは銀、カドミウムに対し優れた吸着特性を示すことがわかった。また鉛やネオジウムに関してもエッチング条件を変化させることで吸着能を改善することが可能であった。一方、ホウ素に関しては吸着能を示さなかった。 処理したガラス表面に強塩基サイトが形成されることから、固体塩基触媒としての能力を評価した。今回は廃油とメタノールを反応させることでバイオディーゼル燃料の合成を試みたが、大きな触媒効果は見られなかった。この原因は小さい比表面積(5m2/g)および表面に吸着した水やCO2のためと考えられる。今後は焼成によりこれらの分子を除去することで触媒能が大きくなるか検討を行いたい。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は選択的エッチング法の導入による廃ガラス表面へのナノ構造体形成とその機能(物性)評価法の確立に重点を置き研究を進めている。選択的エッチング法に関しては、晶析剤の添加などを行い表面形態や析出相の制御法を概ね確立できた。キレート剤の添加による組成制御は次年度以降に行うことにした。表面形態に関してはAFMや高分解能FESEMを使用しナノメーターオーダーで観察する手法を確立した。またカーボン蒸着とFIBを組み合わせることでガラス表面近傍の断面構造を観察できることを確認、XPSと組み合わせることで表面の元素分布を評価する手法を確立できた。 機能(物性)評価については触媒の評価に使用するガスクロマトグラフの導入が遅れたため、金属イオンの吸着能の評価を前倒しで行った。触媒能に関してはメタノールと脂肪酸の反応により評価したが、焼成条件を最適化することができず、次年度以降の課題となった。抗菌能に関しても評価方法の改善を目指し評価用試料の大型化することで簡易化と再現性の向上を検討している。以上のように機能評価の計画が変更されたが、金属イオンの吸着に関しては有望な結果を確認することができたため上記のような進捗状況とした。
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| 今後の研究の推進方策 |
2024年度の検討結果から選択的エッチングによりマグネシウムを主成分とする層状粘土鉱物が表面に析出することを確認した。また、XPSによる検討からエッチング剤濃度を変化させることで表面に析出した粘土鉱物の組成を制御可能であることが示唆された。エッチング条件の探索には粘土鉱物に関するデータベースを有する化学平衡計算ソフトを使用することで効率化を図っていきたい。また、キレート剤や多段階エッチング法の導入により表面の組成やナノ構造の制御について検討を行う。エッチング過程をさらに詳しく検討するために、ガラスネットワーク中のアルカリ金属イオンの挙動について実験、コンピューターシミュレーションの両面から検討を行っていく。 2024年度の検討で選択的エッチング処理した廃ガラスに軟らかい酸である銀やカドミウムイオンが吸着することを確認した。エッチング条件を変化させ鉛や銅、硬い酸である希土類イオンの吸着が可能な廃ガラス由来吸着剤の創生を試みる。また、表面のCaサイトを利用した希土類の相互分離にも挑戦したい。水相中でアニオンとして存在するヒ素やホウ素、リンなどの吸着特性についても調査を行う。2024年度に続き固体塩基触媒として廃油を原料とするバイオディーゼルの合成を検討する。2024年度は焼成条件を検討することができなかったため、本年度は焼成温度が触媒能に与える影響を評価する。並行してTCD検出器を備えたガスクロマトグラフを導入しVOC酸化分解触媒への展開を検討する。ガラスにはコバルトやチタン、セリウムを含むものが存在しこれらを表面に濃縮し触媒活性を高めることが可能か検討を行う。 抗菌性評価は1×1cmの試験片を使用してきたが、試験片を大型化し結果の再現性を高めたい。最終的にはJIS Z 2801規格に準じた方法で評価を行う。また粉末についてはインピーダンス法により評価を行う予定である。
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