研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、欧米から広がった公衆浴場運動は植民地での浴場政策をもって完成するという仮説をたて、日本が植民地とした台湾、朝鮮、満州、さらにこの三地域の植民地統治の前段階として位置づけられる北海道と沖縄を主な研究対象とする。これら研究対象には歴史研究のみならず、文化人類学や社会学の研究的視点からもアプローチし、各地の衛生政策と公衆浴場をめぐる政策及び言説を跡づけることによって、近代日本における公衆浴場と清潔規範との関連を立体的に記述する。具体的には公衆浴場という施設を通じて、清潔さの身体規範が拡大、強化された過程の分析を試みることで、日本と東アジア諸国との歴史的関係性を明らかにする。