研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、盟約者団国家スイスの形成過程に着目し、新たな課題認識のもとに独自の視点・射程での再検証を通じてスイス固有の伝統的歴史観を相対化することにより、新しいスイス史像の構築、既存のスイス史記述の書き換えをめざす。本研究は、19世紀以来の伝統的歴史観(対ハプスブルク闘争史観)の根拠の1つであった「モルガルテンの戦い」(1315年)とその後の展開に着目し、盟約者団形成初期におけるハプスブルク家の実態の解明に挑戦する。本研究の意義は、近代的バイアスのかかった伝統的歴史観から脱却、近代が生み出した様々な歴史的弊害への自覚を促し、文化的・学術的グローバル化の最先端をめざす点にある。