| 研究課題/領域番号 |
24K21377
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| 研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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| 研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
岩本 崇 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (90514290)
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| 研究分担者 |
平郡 達哉 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (60709145)
米 康充 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (30467716)
石井 将幸 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (50293965)
上野 和広 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (60560167)
亀井 淳志 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (60379691)
新 大軌 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (70431393)
板垣 貴志 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (80588385)
宮澤 文雄 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (00749830)
清原 和之 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (10757264)
千代 章一郎 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 教授 (30303853)
會下 和宏 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (90263508)
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| 研究期間 (年度) |
2024-06-28 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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| キーワード | 戦争遺跡 / アジア太平洋戦争 / 公共考古学 / 学際的研究 / 航空基地 / 旧海軍 / 旧陸軍 / 旧海軍大社基地遺跡群 / 航空基地遺跡 / 考古学 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アジア・太平洋戦争期の戦争遺跡がもつ物質資料としての学術的意義を解明し、その保存活用の展望を切り拓くための文理融合を含む学際的研究手法の創出に挑戦する。研究において核となるのは物質資料を歴史的に評価する考古学である。戦争遺跡を物質資料として客観的に分析する本研究の視角は、戦争への社会的対応の普遍的側面を捉え、イデオロギーに結びつきがちな近代戦争を客観的かつ公平に評価しうるようにする点で既往の研究の方向性を転換させうる。また、学際的研究のプラットフォームとして戦争遺跡を位置づける視座とそこから得られる学術成果は、現代社会における人文科学のプレゼンスを高める意義深いものとなる。
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| 研究実績の概要 |
研究1年目にあたる2024年度は、大きく3つの柱を設定して研究を進めた。具体的には、①出雲市旧海軍大社基地遺跡群の実態究明、②大社基地遺跡群の評価に際して比較対象となる山陰を中心とした戦争遺跡の実態把握、③戦争遺跡をめぐる公共考古学的・博物館学的な検討、である。 ①出雲市旧海軍大社基地遺跡群の実態究明については、出雲市より提供を受けた市域の航空レーザー測量データを利用した、戦争遺跡ベースマップの作成に着手した。GISソフトに航空レーザーデータを重ねて、これを遺構の分布調査の基礎データとするとともに、今後、各遺構の3次元計測データを紐づけることを計画している。また、コンクリート製地下壕の一部について三次元計測を実施するとともに、コンクリートのサンプリングをおこない、圧縮強度試験と中性化深さ試験を実施した。歴史学的な検討としては、各種文献史料の整理と内容確認とともにとくに槇原吉則氏提供資料群の分析を重点的に実施した。 ②山陰を中心とした戦争遺跡の実態把握については、島根県域を対象とした代表的な戦争遺跡の分布調査、簡易的な三次元計測などを実施した。とくに松江市美保関望楼跡や大田市三瓶原陸軍演習場などを調査した。さらに、航空基地として米子市美保基地を検討の俎上にあげ、1号飛行機掩体(市指定史跡)の三次元計測とコンクリートコアのサンプリングを実施した。 ③戦争遺跡をめぐる公共考古学的・博物館学的な検討については、各地の戦争遺跡の保存活用実態の把握、平和記念館・戦争博物館の実態調査を実施した。また、戦争遺跡の学術団体における取り扱いを確認するため、考古学の代表的な学会における戦争遺跡をめぐる対応について整理した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の中核をなす大社基地遺跡群については、着実なデータ蓄積を進めることができた。さらに、島根県内を中心として山陰の戦争遺跡の現状を把握する作業も進めることができた。大社基地遺跡群の比較資料として、隣県の旧海軍美保基地の調査を実現するため、米子市との共同研究体制を構築できた点も特筆できる進展内容といえよう。これらの状況をふまえて当初予定以上に研究を推進でき、そのなかでもとくにリモートセンシング学、土木工学、地質学との連携を調査を通じて強化することができた。また、戦争遺跡をめぐる現代社会の取り扱いをめぐる検討も進めることができ、公共考古学・公共歴史学・博物館学・建築学のコラボレーションの方向性を確認できた点も意義が大きい。 いっぽうで、歴史学的な検討、材料工学的な検討についてはやや立ち遅れており、全体としてはおおむね順調に進展しているとの評価が可能である。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究2年目となる2025年度は、さらに旧海軍大社基地遺跡群、旧海軍美保基地、島根県を中心とした戦争遺跡の実態把握を進める。また、立ち遅れている歴史学的な検討、材料工学的な検討を進め、共同研究としての足並みを揃え、研究成果を共有しつつ、学際的な議論を深めていくことをめざす。 また、日本列島に所在する戦争遺跡との比較研究を進めるため基礎的な調査を実施する。これによって、本研究で主たる研究素材とする大社基地遺跡群の相対的な評価が可能となる。 このほかは研究1年目と同程度のパフォーマンスを発揮できるよう共同研究のコーディネートを工夫するとともに、学際的研究を連携している各分野での研究成果の発信をさらに推し進めることとしたい。
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