| 研究課題/領域番号 |
24K21385
|
| 研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
|
| 研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
赤嶺 淳 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90336701)
|
| 研究分担者 |
根本 雅也 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (00707383)
小泉 佑介 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (50866712)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-06-28 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2026年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
| キーワード | 日本的研究 / 面白い研究 / 成果還元手法 / 記述スタイル / 21世紀的社会科学 / 感情移入 / 成果還元 / 調査法 / プランテーション新世 |
| 研究開始時の研究の概要 |
『マツタケ』(チン、2019年)の鍵概念のひとつであるノンスケーラビリティ(規格不能性)とスケーラビリティ(規格不変性)の対立に着目し、前者の再評価を通して、「不安定性と不確定性を包摂する人文社会学」を実践する。①古典から近年の話題作まで人文社会学の作品をノンスケーラビリティの視点から批判的に読みなおすとともに、②ノンスケーラビリティ概念をパーム油などのサプライチェーン研究に応用し、「関係性」の記述に徹した民族誌的研究の現代的意義と可能性をあきらかにする。③そうした実践例を国内外の研究者と共有すべく研究ネットワークの構築につとめ、次世代研究者の育成とともに課題終了後の研究の広がりを担保する。
|
| 研究実績の概要 |
研究ネットワークの構築を目的にウェブジャーナル『きわ』を創刊した。研究代表者と研究分担者3名の執筆にくわえ、指導する大学院生にも執筆する機会を与えることができたことは、書く練習、研究成果の還元の場としても、評価できる。とはいえ、2024年度は創刊することが精一杯でもあり、第1巻第1号のみの発行となったことは、せっかくの媒体を活かしきれなかった。11月にモントリオール大学で文化人類学を教えるShiho Satsukaさんが訪日した際、「キノコに学ぶーー「20世紀」の分解へ」と題した講演を頂戴した。都内の大学院で環境者会学、文化人類学を学ぶ大学院生も参加し、北米大陸的な研究と日本の研究の相違点についても議論できたことは、本研究の意図にかなったものであった。また、2025年度から一橋大学大学院社会学研究科の講義として立ちあげた「先端課題研究23」の構想を練る過程で、バックグランドを異にする研究チーム3名の研究哲学や研究手法などの相違点と共通点を共有できたことは、本研究を推進していくうえで、大きな意義をもった。研究代表者の赤嶺は、野生生物の利用と管理に関してアバディーン大学とベルゲン大学の研究者と研究を推進していくため、研究交流をおこなった。研究分担者の根本は日立製作所というモノづくり大企業の影響が大きい茨城県日立市に焦点にあて、ノンスケーラビリティとスケーラビリティの境界を多角的に探った。そのなかで、地元の中小企業などにおいてはモノづくりの熟練の技術というノンスケーラブルな要素の継承が議論され取り組まれていることがあきらかになった。小泉は、スマトラ島で、巨大民間資本によるスケーラブルなアブラヤシ農園開発が進む傍らで、地元住民による様々な生業を組み合わせたノンスケーラブルな小規模栽培も増えつつあり、特に低湿地帯では両者が混淆するモザイク状の景観が形成されていることを確認した。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を公開する場としてウェブジャーナル『きわ』(オンラインISSN 2759-4815)を創刊し、日常的に議論する場として一橋大学大学院社会学研究科の講義科目として先端課題研究23「〈面白い〉研究の研究ーー規格不能性に向きあう」を組織することができた。このふたつは本研究を申請するときから構想していたことであったが、実際に制度化するまでには、さまざまな問題を解決していく必要があった。『きわ』では、研究代表者と研究分担者3名の執筆にくわえ、大学院生にも執筆する機会を与えることができた。媒体の立ちあげとなった2024年度は教員主体で運営せざるをえなかったが、今後は、先端課題研究23と連携させながら、大学院生の自主的な発案にもとづいた特集などを軸に成果還元を促進していきたい。こうしたツールの立ちあげにくわえて、肝心な各個人研究も、それぞれが国内外で適切な課題を見いだし、有意義なスタートとなった。
|
| 今後の研究の推進方策 |
「不確定性が蔓延する21世紀にふさわしい社会科学の構築」を目的に掲げる研究であるため、(1)国内外の研究ネットワークを強化すること、(2)『きわ』と先端課題研究23を効果的に連携させ、構想力と発信力を強化すること、(3)外部講師を交えた研究会を開催すること、(4)研究者個人の研究を深化/進化させることの4点を、あらためて意識した1年にしたいと考えている。(1)から(3)は、それぞれ連携可能であり、(4)も、そうした研究活動の過程もしくは結果として遂行可能である。
|