研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、調査の実施から個票の産出に至るまでの過程を追尾できる貧困調査の資料を題材に、調査者が対象者とのやりとりを通じて、どのようなカテゴリーやその運用方法のもとで貧困化に至る人生の軌跡を理解可能なものとして描き出すのか、その一連の活動の連鎖のなかにみられる表現形式の使用法に注目した分析を行い、貧困化の過程の説明実践における組織化手続きの複数性とそれを可能にしている概念連関を解明する。エスノメソドロジーと主流派社会学とを横断することで、「社会的なもの」をめぐる規範性を忘却した社会学の現状と、認識の学と実践の学として制度化を遂げた社会学と社会福祉学の分断とを超克する方法論を示すことをめざす。