研究課題
挑戦的研究(萌芽)
恐怖や報酬などの無条件刺激となりうる信号が持つ情動価は生得的に決定されると考えられてきたが、飢餓や栄養、炎症や孤独といった状態や環境依存的にも変容しうる。情動研究の歴史は長いが、このような状態依存的な情動価の変容を司る神経基盤にはいまだ不明な点が多い。申請者らは脳幹の腕傍核に着目し、扁桃体への経路が負情動を担う無条件刺激として機能すること、視床下部への経路が恐怖による摂食抑制を担うこと、腹側被蓋野への経路が状態依存的に異なる情動価を担うことを見出してきた。そこで本研究では、トップダウン経路とボトムアップ経路に焦点をあて、自発的行動と受動的行動における情動価の二重性を制御するメカニズムに迫る。