研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、視知覚研究手法を用いて、ヒトはなぜものごとをランダムに列挙することができないのか、すなわち、ヒトの情報処理系である脳はなぜ乱数系列を持たない(持てない)のか、その心理学的および神経科学的起源を明らかにすることを目的とする。ヒトは偏りのある「欠陥」乱数しか生成できないにもかかわらず、その欠陥乱数を妄信してしまうため、様々な問題やバイアスが生じる。そこで本研究は、ヒト乱数の機序を正しく理解し、その誤謬を克服する手掛かりを模索する心理行動実験および脳機能イメージング実験を実施する。本研究は、ヒトの知覚特性を知るにとどまらず、バイアスによって起こる種々の社会問題を解決する糸口ともなるだろう。