研究課題
挑戦的研究(萌芽)
惑星の環境は水などの揮発性物質が宇宙空間へ流出することによって変化していく。一方、物質が大気中を上方輸送中に冷却し凝結して雲になると、重力沈降のため流出は抑制される (コールドトラップ)。これまでの理論的研究では、気相濃度は液相と平衡状態となり飽和蒸気圧に抑えられ、これが流出量を制限するとされてきた。しかし条件次第では気相と液相・固相への分配は平衡状態から大きくずれてもよく、むしろ非平衡を前提にして理論が再構築されるべきである。本研究では、惑星雲物理モデルを用いて大気の物理条件に応じた非平衡過程を明らかにして、最新の観測データを用いて検証する。過飽和をもたらす非平衡雲物理の一般論を構築する。