| 研究課題/領域番号 |
24K21575
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| 研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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| 研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澄川 貴志 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80403989)
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| 研究期間 (年度) |
2024-06-28 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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| キーワード | 疲労 / ミクロン / 表面 / メタ / 転位 |
| 研究開始時の研究の概要 |
機器や構造物の持続的な使用のためには「壊れない材料」の実現が望まれる。申請者は近年、ナノ~マイクロサイズの金属単結晶に対する引張圧縮疲労試験に成功し、表面からの仮想力(鏡像力)が材料全体に作用し、バルクとは異なる疲労挙動を示すことを明らかにした。本研究では、力学的な設計指針に基づいた材料表面のメタ構造化によって、微小材料の高疲労耐性化に挑戦する。緻密な実験と解析によって、幾何学形状を付与した材料表面が転位運動に及ぼす力学的支配機構の詳細を明らかにし、微小材料の疲労耐性向上に資するanti-fatigue表面の実現を試みる。
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| 研究実績の概要 |
令和6年度の研究実績は、以下のように纏めることができる。1. サブミクロンサイズの金属材料に対して透過型電子顕微鏡内で実施できる引張圧縮繰り返し負荷試験手法を開発した。このとき、微小試験片を作製、ハンドリング、試験装置への設置および電子顕微鏡内への挿入時に試験片にダメージの加わらない機構を設けた。ニッケル(Ni)単結晶を対象とした試験に成功し、600 MPa程度の分解せん断応力振幅まで疲労き裂は発生しないことを明らかにした。この値は、バルクNiの疲労き裂発生限度の約10倍である。2. 透過観察下でのその場観察試験より、サブミクロンサイズのNi単結晶の著しい疲労き裂発生の上昇は、自由表面からの力学作用による転位の逸脱が原因であり、繰り返し負荷によって材料内部が完全結晶に近づくことが原因であることを明らかにした。これは、内部で転位の増殖と特有の自己組織化構造を形成するバルク材やミクロン材の結果とは大きく異なっている。3. サブミクロンサイズへの微小化に伴う疲労き裂発生限度向上特性に着目し、サブミクロンサイズの要素で構成されたメタ構造を考案および設計した。4. 考案したメタ構造を内部に有するミクロンサイズの試験片を実際に作製して疲労試験を実施した結果、バルク材よりも密度が小さいにも関わらず、同等もしくはそれ以上の疲労き裂発生耐性を有することを明らかにした。5. 設計に用いるための転位動力学解析(ParaDiS)の実装を現有の計算機に対して行った。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
令和6年度は、研究計画上は“メタ表面の単体要素を付与したマイクロ試験片を用いた疲労試験の実施”、 “解析と理論によるアプロ―チ・支配力学の特定”の一部を実施することが主な目的である。計画に沿って、初期検討として表面に突起あるいは半円孔を導入したNi単結晶試験片を作製して引張圧縮繰り返し負荷試験を実施した。その結果、バルクとは異なる疲労損傷挙動を示すものの、有意な強度上昇にはつながらなかった。一方、平行して実施した、サブミクロンサイズのNi単結晶を用いた試験において、バルク材よりも約10倍高い応力振幅まで疲労き裂が発生しないことを発見し、その内部構造の変化と支配力学を明らかにした。この寸法効果を利用したメタ構造を考案・設計・作製し、実験を行った結果、外形寸法の等しいバルクNiと同等もしくは高い疲労き裂発生耐性を示した。すなわち少ない材料密度で高い疲労耐性を持つ材料を実現できた。材料表面をメタ化するための初期検討では、当初予定していたものとは異なる結果が得られたものの、材料内部のメタ構造化によって最終成果に繋がる有益な情報が得られており、次年度に展開する予定である。研究は順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って研究を実施する予定である。令和7年度の計画は、“メタ表面の単体要素を付与したマイクロ試験片を用いた疲労試験の実施” 、“解析と理論によるアプロ―チ・支配力学の特定”、“表面要素を設計した試験体に対する負荷実験”の一部を実施することである。前年度は、ミクロンサイズの材料の表面に単純に突起や半円孔を設けても疲労強度は有意に上昇しないことが分かった。一方、サブミクロンまで材料寸法を縮小した際に現れる高疲労き裂発生耐性を利用すれば強度の高い材料を実現できることがわかった。これらのことを踏まえて、表面に形状を設けた際の力学状態を見直し、疲労耐性向上のためのメタ表面の実現を試みる。また、前年度に整備を行った転位動力学解析について、表面に形状を有する材料への展開を行う。
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