研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、フェルミエネルギー近傍にある電子の占有状態およびその対称性を調べることができる放射光硬X線分光法を開発する。SPring-8において価電子から内殻への遷移に伴うX線発光の偏光を解析して分光する方法を確立し、発光の偏光依存性により価電子のもつ対称性を検証する。さらに、同じ測定で偏光により方向を特定した上で、配位した元素の種類の識別も可能であることを実証する。この手法は、価電子帯の光電子分光と同じ電子状態に関する情報を高透過能の硬X線を利用して計測できるものであり、オペランド計測手法として発展する大きな可能性を有している。