研究課題
挑戦的研究(萌芽)
アジア沿岸部における塩害によるイネ生産性の制限要因が、塩害だけでなく塩害により農家が窒素施肥を控え窒素欠乏を併発することに注目し、塩害と窒素欠乏の複合ストレスに適応したイネの作出を目指す。従来の耐塩性イネ系統の持つ耐塩性QTLであるSKC1やSaltolによる地上部への塩の吸収抑制は、窒素欠乏下では発揮されなくなることがわかってきた。そこで、耐塩性品種の地上部への塩の吸収抑制形質がなぜ窒素欠乏下で発揮されなくなるのかを調べることで、窒素欠乏下でも形質を発揮させる方策を模索する。さらに塩害と窒素欠乏の複合ストレス下でも実用的な耐塩性イネ育種を目指す。