| 研究課題/領域番号 |
24K21884
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| 研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中川 弥智子 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70447837)
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| 研究期間 (年度) |
2024-06-28 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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| キーワード | 種子散布 / 森林の空洞化 / ヤマモモ / 二次散布 |
| 研究開始時の研究の概要 |
ニホンザルが70年ほど前に絶滅した種子島と、現在も健在の屋久島において、ニホンザルが主な種子散布者であるヤマモモの分布パターンと実生の定着率、種子散布距離と遺伝構造、二次散布の有無と二次散布者を調査・比較し、森林の空洞化が樹木の種子散布と実生更新に与える影響について、量的および質的の両面から明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
一見すると緑豊かに見える森林においても大型動物が局所的に絶滅した「空洞化した」森林が、世界には広がっているが、樹木は長寿命種が多く、空洞化現象が森林に及ぼす影響は見えにくいのが現状である。特に、種子散布距離の短縮や、その結果として近縁個体の密集による遺伝構造の強化といった質的影響は未解明のままである。そこで本研究では、雌雄異株の常緑高木・ヤマモモを対象に、主要な種子散布者であるニホンザルが現在も生息している屋久島と70年ほど前に局所絶滅した種子島において、種子散布距離と遺伝構造を遺伝実験により明らかにすることとした。 両島の各調査地で設定した調査地内に生育するヤマモモの葉からDNAを抽出し、マイクロサテライトマーカー19座を用いて遺伝子型を決定した。また、花の直接観察によって個体の雌雄判別を行い、各調査地の個体を母樹候補集団、父樹候補集団、および子集団に分けて、近隣モデルアプローチで種子散布距離を推定した。また、個体間の親縁係数を用いてコレログラムを作成し、空間遺伝構造の強さの指標を算出した。 その結果、散布カーネルとして指数関数を用いて推定した平均種子散布距離は、種子島で11.1 m、屋久島で93.2 mと屋久島の方が長く、森林の空洞化の影響が種子散布距離の違いとして検出された。また、種子島の子集団では、種子島の親候補集団や屋久島の子集団に比べて強い遺伝構造が検出され、特に0~50 mの範囲で近縁個体の集中が見られた。これにより、ニホンザルの喪失によってヤマモモの種子が遠くへ散布される機会が減少し、母樹近辺に近縁個体が集中していることが示唆され、森林の空洞化が種子散布の質に影響を与えていることを明らかにすることができた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
予備的に行った実験ではマーカー数が不十分であったことが判明したため、サテライトマーカーを増やし遺伝実験と解析をやり直した結果、十分な結果を得ることができた。また、その成果が得られるまでにはもう少し時間を要するが、実生動態の追跡調査や、二次散布に関する調査も順調に進んでおり、残りの1年間で十分な成果を得ることができる見通しである。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年の屋久島では、ヤマモモ果実の生産が豊作になることが予想されるため、屋久島で集中的に二次散布と種子の発芽実験の調査研究を進める予定である。これまでのカメラトラップを用いた研究により、野ネズミ類による二次散布の可能性が考えられるため、タグを付けたヤマモモ種子を用いて、野ネズミ類による種子散布距離や散布特性(貯食による種子散布場所)を明らかにする予定である。また、糞虫による二次散布の実態を明らかにするため、予め捕獲した糞虫を、ヤマモモ種子をニホンザルの糞の中に混ぜた団子を置いたパイプの中に置き、二次散布の頻度や種子の埋設深度を調査する。十分な成果を得るため、ヤマモモの結実期間中は常に複数名で調査を行い、できるだけサンプル数を増やすことを目指す。くわえて、実生の追跡調査を継続し、種子散布の質の変化がヤマモモ実生の更新動態に与える影響を評価する予定である。
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