東京藝術大学所蔵『住吉家粉本類』(以下、本資料とする)を通じて、住吉派における源氏絵図様の形成と継承の解明する。近世初頭に制作された住吉派及び周辺絵師の作例を、様式分析に加えて、粉本類との関係性から論じるものである。さらに住吉家が携わる多様な画題を検討し、住吉派が大成する土佐派とは独自性を保った源氏絵において彼らの従事するその他の画業がどのような影響を与えたかを解明する。住吉派源氏絵の図様形成と継承を明らかにするとともに、その他の画題の図様からの再構成の実際を解明し、住吉派源氏絵の特質を整理分析する。
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