研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、俳句における長崎・浦上原爆(以下、長崎原爆)の表象について明らかにする。小説や現代詩の研究には、その文学ジャンルがどのように〈戦後〉や〈ヒロシマ〉を記憶するのかを分析した研究があるが、俳句と〈ナガサキ〉を対象にした類似研究は存在しない。しかし、〈ナガサキ〉に関する俳句表現は戦後表現の中でも重大かつ特異点と見なしうる。本研究は〈ナガサキ〉を表現した俳句を、「語の生成」「伝播」「受容」、そして「語の共起性」という観点から分析する。これにより、俳句というジャンルにおける〈ナガサキ〉の形成と、個人の創作における〈ナガサキ〉の形成との交錯を見出し、通時的な詩的言語のダイナミズムを明らかにする。