| 研究課題/領域番号 |
24K22552
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| 研究種目 |
研究活動スタート支援
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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| 研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
酒井 恵祐 山形大学, 人文社会科学部, 講師 (61000336)
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| 研究期間 (年度) |
2024-07-31 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | 花粉分析 / 古環境 / ペルー / ナスカ / 空中花粉 / 環境考古学 |
| 研究開始時の研究の概要 |
ペルー共和国のナスカ地域は,多くの地上絵や遺跡が発見されており,これまで人文科学・自然科学の多岐にわたる学問分野からその解明が進められてきた.しかし,ナスカ社会に関しては,古環境データは不足しており,環境の変化と人間活動の変化の相互作用については大きな課題である.本研究では,ナスカ地域において古環境復元を行う上で,必要不可欠である花粉データベースを作成し,研究の基礎を築くことが目的である.
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| 研究実績の概要 |
本研究はナスカの地上絵で知られる南米のペルー共和国ナスカ地域において,古環境復元を行うための基礎データとして,現在の植生を把握するとともに,同地域の花粉データベースを作成することを目的としている.ナスカ地域においては考古学的研究が発展している一方で,古環境研究は進展が少ない地域である.そのため,ナスカ地域において古環境研究を発展させる方法を探り,古環境研究と考古学的研究を組み合わせた環境考古学的研究を実施することが,ナスカ社会をより詳細に理解・議論する上で重要であると考える.そのため,長期的な目的は地上絵と共に生きたナスカの人々の生活や社会,文化の移り変わり(農作物の変化など)と当時の環境(変動)との関係を明らかにすることである.この目的達成に向けて,本研究では,現在のナスカ地域に生息している現生の自然植生や栽培植物について現地調査から明らかにし,同地域の植物の花粉形態をデータベース化する.また,空中花粉測定を行い,飛散花粉の実態について把握する.さらに,古環境復元のための調査地を選定することを行い,研究の基礎を築く. 本研究の方法は,現地において植生を調査し,種の同定と開花している植物は花の採取を行う.そして,花粉のプレパラートを作成し,顕微鏡で写真撮影を行う.空中花粉は,可能な限り毎日測定する.ダーラム型花粉捕集器を用いて重力によって花粉を24時間かけて捕集・測定する.今後の研究に向けた調査地については,現地で環境条件やアクセス等を考慮し,適切な場所を選定する. 2024年度は採択初年度ということで,現地調査においてナスカ地域の自然植生について包括的に実施した.2025年度の長期的な空中花粉測定に向けて,予備調査として5日間の24時間の空中花粉測定を行った.また,ナスカ研究所において花粉分析の研究体制を整えるために,必要機材の調達等の体制を整えた.
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度は,初年度ということでペルー共和国・ナスカにある研究所の研究体制の整備や現地の状況把握等を中心に研究スタートに向けた準備を行った.また,ナスカ地域の現生植物と栽培植物の把握および採取を行い,その花粉形態に関する基礎的な調査を実施した.当初の計画通り,ナスカ地域の自然植生を調査し,約60種類の植物の花を採取することができた.採取した花は全て処理を行い観察用プレパラートとした.現在,これらの試料を用いて花粉の形態観察を進めている.また,顕微鏡で写真撮影を行い花粉形態の記録も進行中である.これらのデータは将来的にナスカ地域における花粉形態のデータベースとなり,化石花粉との比較や環境復元への応用が期待される. また,空中花粉の24時間測定についても予備的な調査を実施した.本年度の測定期間は5日間と短い期間であったが,現地での機材設置,データ取得方法,試料保存手順などについて検証を行うことができ,翌年度以降の本格的な連続観測体制の構築に向けた実践的な準備が整ったといえる.今後は,長期間のデータ蓄積により,ナスカ地域の季節ごとの花粉飛散状況などの把握が可能になる見込みである. 以上の成果から,本研究は当初の計画に沿っておおむね順調に進展していると評価できる.
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度はナスカ地域に長期滞在し,3つの調査・研究を実行する.①2024年度とは異なる時期にナスカに滞在し,季節ごとに開花する自然の植物および栽培植物(花)を採取し,花粉の形態を把握する.また,ナスカ地域を広域的に調査し,可能な限り周辺地域についても調査を行う.②24時間の空中花粉測定を長期的に実施し,現在の季節ごとの空中花粉飛散状況を把握する.③古環境復元に向けた試料採取を行う場所の選定を行う.以上の研究を本科研費研究で行うことによって,ナスカ地域における環境考古学的な研究の基礎を築くことができる.そして,このデータを基にして,地上絵が描かれたナスカ社会と環境との関係について明らかにすることにつなげたい.
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