女子の大学進学率が上昇した現在でも女子の教育選択は大学ランクや専攻分野の点で男子と比べ社会経済的に不利な傾向があるが、どのような要因がどの程度その差に寄与しているのかは明らかになっていない。本研究は、(1)家族形成などの非金銭的な要素も含めた将来のリターンを考慮したモデルのシミュレーション、(2)進学先の女子比率が低いことによる心理的なコストが高校生の進路希望に与える影響を測定するための経済実験を行う。教育選択の男女差をもたらす要因の特定・その説明力の定量化によって、男女共同参画社会実現への取り組みの有効性の評価にも示唆を与えられることが期待される。
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