生活保護制度は、最低限度の生活を保障し、自立を助長するための制度である。2013年8月~2015年の三ヵ年にわたって実施された生活扶助基準の見直しは、見直しの根拠となる検証方法への批判や生存権の侵害であるとした訴訟にも発展しており、この見直しによる受給者の厚生への影響を分析することは重要である。 そこで本研究では、厚生の指標として消費を用いて、生活保護受給者世帯と生活保護制度を受給していない世帯を比較することで、生活保護の見直しが、消費に与える影響を分析する。両者を捉えるために「家計調査」及び「社会保障生計調査」の個票データを組合せることで、十分な大きさのデータセットを作成し、分析を試みる。
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