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生命を形づくる膜の多様性と進化史の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24K22900
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
研究機関名古屋大学

研究代表者

星野 洋輔  名古屋大学, 高等研究院(シンクロ), 特任助教 (40446969)

研究期間 (年度) 2024-07-31 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード細胞膜 / 脂質膜 / テルペノイド / 古細菌 / 膜タンパク質 / MFS / 脂質 / 生命の起源 / 進化
研究開始時の研究の概要

本研究は、細胞膜の主要構成分子であるテルペノイドが生み出す細胞膜の機能的・構造的多様性と、その進化史の解明を目標としている。テルペノイドはその多彩な化学構造と機能により生命の中枢活動に広く参加しており、生命の進化と深く関わっている。本研究では、異なるテルペノイド組成の細胞膜を人工的に合成し、テルペノイドと他の脂質分子・タンパク質との相互作用を解析することで、テルペノイドによって誘導される細胞膜の様々な機能性を包括的に評価する理論を構築する。本研究は、細胞型生命の進化についての根源的な理解をもたらすと同時に、生体に限定されない多様な膜構造を実現することで次世代の分子工学分野の発展にも寄与する。

研究実績の概要

本研究は生命に必須の構成要素である細胞膜の進化過程を、テルペノイドと呼ばれる脂質分子を用いて明らかにすることを目的としている。テルペノイドは細胞膜の構成物質として現在知られるすべての生命に存在しており、その構造的多様化の過程を解明することで、細胞膜そのものの進化過程を理解することができる。本年度は、異なる脂質組成をもつ人工脂質膜の作製方法の検討と、膜の機能性検証のために今後使用する膜タンパク質の選定およびそのタンパク質の進化過程の検証を行った。
人工脂質膜については、細菌と真核生物がもつ脂肪酸型脂質分子であるおよび古細菌がもつテルペノイド型脂質分子を使用し、エマルジョン界面通過法により脂質膜作製を試みた。細菌型脂質分子では先行研究で示された手順で脂質膜の生成が実際に示唆されたが、古細菌型分子では脂質膜が生成しないことが判明した。これは、脂質分子の物性の差に由来する可能性があり、膜の脂質組成に応じた物性変化が実際に観測されたとも捉えられる一方、古細菌型脂質膜の作製方法を別途検討する必要がある。
一方、膜タンパク質の選定はその分布の広さとともに進化の歴史の長さをもとに行った。全生命の共通祖先にまで遡りうるタンパク質の数は極めて少なく、かつ本研究に利用できる可能性をもつものは数えるほどしか存在しない。このうち、Major Facilitator Superfamily (MFS)と呼ばれる膜輸送体の分布と進化の歴史を検討した結果、今まで全生命に分布していると予想されていた糖輸送MFSが実際には古細菌にほとんど存在せず、その起源が全生命の共通祖先まで遡る可能性は低いと結論された。一方で、糖輸送MFSは細菌・真核生物での分布の広さから機能解析の研究が最も進んでいるタンパク質でもあるため、人工脂質膜上での振る舞いを調べる観察対象としては依然有効と考えられる。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

人工脂質膜作製については、脂質分子によって人工脂質膜の作製方法を調整する必要が明らかとなった。これは当初には想定されていなかったことではあるが、一方で脂質組成による膜の振る舞いの変化が実際に観察されたとも捉えられ、すなわち新たな研究成果であるため、進捗の遅れとはみなされない。また、膜タンパク質の選定についても、検討した糖輸送MFSが全生命の共通祖先まで遡る可能性は否定されたが、このタンパク質が古細菌に存在しない理由を探ることは、脂質組成に応じた膜タンパク質の振る舞いを追求する本研究の趣旨と合致しており、例えばこのタンパク質を古細菌型の脂質膜に埋め込んだ場合にどのような振る舞いをするかは興味深い研究テーマとなる。従って、こちらも進捗の遅れとはみなされない。

今後の研究の推進方策

古細菌型の脂質分子をもちいた人工脂質膜の作製方法をを確立する。透過率などの物性を蛍光物質を用いて測定し、細菌・真核生物型の脂質膜との物性面での差異を見極める。そして、この物性面での差が膜中の物質の振る舞いにどのような影響を与えるのかを、膜タンパク質を埋め込んでその振る舞いを観察することで明らかにする。作製した各種脂質組成の人工脂質膜に糖輸送MFSを発現させ、タンパク質の機能に何らかの差を生じるかを調査する。また、X線トモグラフィなどを用いてタンパク質の膜内の分布パターンを観測し、タンパク質と脂質分子の相互作用のあり方を調査する。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] テルペノイド脂質がもたらした細胞膜ダイナミクスの進化2024

    • 著者名/発表者名
      星野洋輔
    • 学会等名
      日本生体エネルギー研究会 第50回討論会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-08-01   更新日: 2025-12-26  

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