| 研究課題/領域番号 |
24K23057
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| 研究種目 |
研究活動スタート支援
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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| 研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北村 健二 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50963154)
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| 研究期間 (年度) |
2024-07-31 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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| キーワード | 股関節形成不全 / 寛骨臼移動術 / 有限要素解析 / 股関節不安定性 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本邦では変形性股関節症の原因の約8割を股関節形成不全(Hip Dysplasia; HD)が占めており、骨頭被覆減少による関節不安定性・異常な関節応力集中が病態の主座である。10~40代の若年患者に対して行われる寛骨臼移動術(Transposition Osteotomy of the Acetabulum; TOA)はHDに対する関節温存手術の中で主要な役割を担っており、良好な中期成績の報告は多い一方で、術後30年の長期成績では関節温存率29%との報告もあり、将来的に人工股関節全置換術による再手術を回避できない人は多い。そのため、より優れたTOAを確立することは喫緊の課題である。
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| 研究実績の概要 |
2024年度はテーマ1に挙げた寛骨臼移動術(TOA)における寛骨臼骨片の矯正に対する生体力学的観点からの至適骨片移動位置(Target zone)の探索、テーマ2に挙げたTOAが股関節不安定性に与える影響について解析を行った。テーマ1では、有限要素法を用いた12パターンの仮想TOAシミュレーション(Lateral center-edge angle [LCEA]を30°, 35°, 40°に側方回転し、前方回転を0°, 5°, 10°, 15°加えた計12通り)を行い、LCEA 30°ー35°かつ15°の前方回転を加えたときに関節接触圧の正常化しやすいことが明らかとなった。術後に日常生活動作に必要な可動域を考慮するとTarget zoneは患者によって異なることがわかった。また、Head-neck offset ratioが小さい患者では可動域制限が生じやすいことが明らかになった。これらの知見から患者共通にTarget zoneが存在するのではなく、患者個々に合わせた骨切りを行う必要があることが分かった。テーマ2では、TOA前後の臥位および立位X線画像を用いて、3D-2Dレジストレーションを行い、大腿骨頭中心と寛骨臼中心の相対的移動距離を算出することで股関節不安定性を評価した。その結果、TOA後に骨頭移動は有意に減少し、微小不安定性の改善が示された。ただし、正常股関節と比較すると依然として骨頭移動量は大きく、術後にも関節不適合が残存する可能性が示唆された。特に、術前のARO(Acetabular Roof Obliquity)が大きい症例ほど、立位での外方移動が大きく、矯正の際には立位X線による評価の重要性が示された。今後はこれらの結果を踏まえて、臨床成績を加味し、総合的な矯正アルゴリズムを確立する予定である。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
テーマ1および2に関しては一定の成果を得ており、行った解析結果を取りまとめ、国内外の学会において発表及び研究論文として学術雑誌に発表ができている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、TOA術後の患者立脚型評価指標(PRO)を収集し、テーマ1および2で得られた生体力学的解析・動態解析の結果と統合して、成績良好群および成績不良群の2群間比較を行うことで、臨床成績に基づいた矯正アルゴリズムの確立を目指す。また、ナビゲーション手術との融合による術前計画の再現性向上にも取り組む予定である。
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