養殖魚に発生する魚病は、養殖事業に甚大な経済的被害をもたらしている。国内で広く利用されている不活化ワクチンは一部の細胞内寄生細菌やウイルスに対する効果が弱いことから、新たなワクチン開発が喫緊の課題である。申請者はこれまでの研究で、病原体由来の「脂質」が、魚類の免疫応答を強く活性化することを明らかにした。さらに、脂質分子を結合可能な魚類特有の非古典的MHCクラスI分子「L系統」が、Bリンパ球に発現していることを発見した。本研究では、申請者らが発見したL系統陽性Bリンパ球の特徴を明らかにし、魚類が独自に展開している免疫応答の中核を担っているのは、自然リンパ球であるのかを明らかにする。
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