ヒトにおいて繊毛の機能不全は、網膜色素変性症、嚢胞腎、肥満、多指症、水頭症などの繊毛病と呼ばれる一群の疾患を引き起こすが、繊毛病の発症メカニズムは不明な点が多く、根本的な治療法は存在しない。繊毛の形成や機能発現には繊毛内蛋白質輸送(IFT)が必須であり、IFTの異常が繊毛病を引き起こすことが知られているが、IFTの制御メカニズムはほとんど不明である。本研究では、申請者らがこれまでに機能メカニズムを解析してきたセリン・スレオニンキナーゼMakとIckの下流因子の同定及び機能解析から、IFTの制御機構を明らかにし、繊毛病の発症メカニズム解明、治療法開発につなげることを目指す。
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