腎癌は異なるネフロン発生母地に異なるゲノム/エピゲノムの変化が加わることによって生じる多種多様な疾患複合体であり、これが患者間/患者内の癌の不均一性や、治療抵抗性の要因となっていると考えられます。しかし正常ネフロン細胞に遺伝子変異が加わることがどのようにして腫瘍性変化を引き起こすのかは未だ不明のままです。本研究はヒト多能性幹細胞から腎臓へ分化させる過程において特定の遺伝子変異を任意のタイミングで人為的に引き起こすことで、腎癌関連遺伝子が各ネフロン構成細胞の分化に及ぼす影響や、ネフロン構成細胞同士の相互作用を解明し、腎腫瘍化の超早期の分子メカニズムを解明します。
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