2014年の米国内科学会による「Choosing Wisely」キャンペーンの開始以来、低価値医療、つまり健康上のメリットがほとんどない医療が医療費の構造に与える影響への関心が高まっている。しかし、我が国における低価値医療の量や構造の検討は限定的である。医療費における腎疾患関連の費用の占める割合の大きさから、本研究では、大規模なレセプトデータベースを用いて、腎臓疾患に関わる領域の低価値医療の提供量と医療費を測定する。また、算出された地理的ばらつきや低価値医療が提供される患者側・医療側の要因を調査することで、不必要な医療を減らすための潜在的ターゲットを明らかにすることを目指す。
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