世界的な貧血調査によれば、妊婦の貧血有病率は36.5%と推定され、日本でも妊娠中の貧血(妊娠貧血)が問題となっている。妊娠貧血は、胎児や胎盤に必要な栄養素や酸素の供給を阻害し、母体だけでなく胎児の健康に悪影響を与える可能性がある。妊婦を対象とした保健指導では、妊娠中に必要な栄養の摂取や食生活改善などに関する教育が行われている。しかしながら、貧血の発症率は依然として高いままである。そこで、本研究は妊婦に焦点をて、妊娠貧血予防行動の実態を初めて明らかにし、妊娠貧血との関連を検討することで、今後の保健指導の改善策への示唆を得ることを目的とする。
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