研究課題
特別研究員奨励費
飛翔による高い分散能力を持つコウモリ類でも,日本の特定の島嶼にのみ生息する種(局所分布種),日本の固有種,日本だけでなく大陸にも生息する広域分布種が存在する.本研究で対象にする6種のコウモリ類は,いずれも広域分布種であり,翼手の形状,生息環境,移入経路という生態的特徴や地史的背景がそれぞれ異なっている.これらの種において,遺伝子と形態を用いた系統地理学的解析および集団遺伝学的解析を実施することで,日本列島―大陸間の移出入が可逆的であることを証明すると同時に,日本から大陸への再進出が生じる条件に付いて考察する.さらに,他の島嶼域や陸棲動物でも生じうるかという再進出の普遍性の解明にも挑戦する.