近年、高い制御性を持つ駆動散逸量子多体系(外界からエネルギーや粒子が注入されると同時に、それらが外界に散逸する非平衡開放量子多体系)が様々な系で実現している。これらの駆動散逸量子多体系には2つの自己秩序化機構が存在する:(1) 超伝導や磁性に代表される量子多体効果による秩序化、および、(2) 散逸構造(非平衡開放系で自発的に形成される時空間パターン)として主に古典的な駆動散逸系で議論されてきた非線形・非平衡効果による秩序化である。本研究は、 具体的な駆動散逸量子多体系として非平衡超伝導に注目し、上述の2つの秩序化機構の融合により生じる「量子散逸構造」の形成条件・形成プロセスを解明する。
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