本研究は、中間財の輸入にリスクが存在すると仮定した理論モデルを構築しつつ、また、企業が外国に生産拠点を置くことができるという仮定を追加してモデルを拡張する。この理論分析を通じて、中間財調達リスクが存在する際に企業がどの国から中間財を調達し、どの国に生産拠点を置くかというメカニズムを定式化する。その後、本モデルを用いて、中間財調達リスクが上昇した際に企業の中間財の調達先や生産拠点の立地がどのように変化するかについてデータをもとに反実仮想分析を行う。この分析を通じて、新型コロナウイルス感染症等が発生した際に、なぜ多くの企業が中間財の調達先や生産拠点の立地を国内や他国に変更したかを定量的に分析する。
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