研究課題
特別研究員奨励費
雪氷生態系は、寒冷な環境に適応した雪氷生物の活動による雪氷面の反射率(アルベド)低下に伴う雪氷の融解促進、森林や土壌、河川といった周辺環境に形成される生態系間の物質輸送という特徴を持つことから、地球環境に多大な影響を及ぼす。そのため、雪氷生態系の変動を駆動する生物過程の解明と対策立案が急務であるが、中でも、生物の活動に不可欠で、やりとりの大部分が生物間で行われる窒素の循環が明らかになっていない。本研究では、積雪中の溶存窒素(硝酸イオン、アンモニウムイオン、溶存有機態窒素)の窒素安定同位体比を測定することで、積雪表面の色の違いが生じるプロセスおよび雪氷環境における窒素循環を解明する。