研究課題
特別研究員奨励費
日清戦争以降、日本は清国に対して本格的に経済進出を企図していくこととなった。本研究は、経済的利権たる鉄道、海運、郵便電信といった通信、交通事業の主務官庁である現業官庁・逓信省の動向から、経済的利権の獲得と運用の過程を明らかにし、近代日本の対清経済進出の特質を現地の動向に即して解明する。具体的には、清国に日本が設置した通信機関である在外郵便電信局の設置、運用と、民間の汽船会社の経営を分析対象とし、逓信省が清国現地で活動する日本人と密接な関わりが政策に与えた影響や、これら経済的利権をめぐる日清および列強との関係性について考察する。