研究課題
特別研究員奨励費
寄生は多様な生物で広く見られる。その進化要因は宿主-寄生生物の関係や環境等によって多岐にわたると考えられ、様々な事例での研究の蓄積が不可欠である。海産無脊椎動物の1グループであるヒラムシ類では、イソバナやヤギの体表に棲む寄生性の種が知られる。それらはほぼ例外なく宿主とよく似た体色をもち、その体色は捕食者から身を守る「保護色」として機能していると考えられる。本研究では、分子系統解析によって寄生性ヒラムシ類の進化の道筋を推定し、宿主との色の類似性が進化の過程でどのように変化してきたかを推定することで、宿主体表への進出に保護色がどのような役割を果たしたか明らかにすることを目指す。