研究課題
特別研究員奨励費
哺乳類ゲノムのおよそ50%は、進化の過程で取り込まれたレトロウイルス(=転移因子)に由来する。転移因子は変異リスクである一方で、一部の配列は精子形成期にエンハンサーとして機能する。すなわち、長らくゲノム変異源として考えられてきた転移因子は、宿主生殖細胞のトランスクリプトーム形成に貢献する。申請者の解析により、複数の転写因子(KZFPs遺伝子)が精子形成過程において、転移因子を抑制することを見出した(投稿中)。しかしながら、その分子基盤は未解明である。そこで本研究では、KZFPsを介した転移因子抑制/活性化機構を明らかにすることで、生殖細胞のトランスクリプトームを制御する分子基盤の解明を目指す。