研究課題
特別研究員奨励費
本研究はジョルジョ・アガンベンおよびライナー・シュールマンが提起する存在論的アナキズムの内実を、その反-秩序構想論という現代思想史における布置に着目して明らかにする。存在論的アナキズムは、 第二次世界大戦前後に考案された政治秩序の再構想に対する批判を通じて、冷戦終結以降基調となった主権国家体制における包摂的排除を伴う自由民主主義へのオルタナティブとして、何らかの同一性に基づく人民ではなく到来するデモスに依拠する単独性を通じた政治的共同性のヴィジョンを提示する。