本研究では、オオヒラタシデムシ上翅上に存在する階層表面微細構造(ミクロンサイズのドーム構造にサブミクロンサイズのシワ構造)が持つ機能を調査する。 これまでこの甲虫のもつ表面微細構造機能は不明だった。しかし、甲虫の生息域(摩擦の発生しやすい地表)や摩擦分野の知見からこのような階層構造は摩擦の増加要因である接触面積やインターロックなどを大幅に低下できる可能性がある。研究はまず模倣構造の作製を行った後に摩擦力測定をすることで構造が摩擦に与える影響を調査する。その後、有限要素法シミュレーションによって摩擦に関わる要因を様々な条件下で可視化、数値化することで摩擦低減に必要な要因を網羅的に特定する。
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