神経向性フラビウイルスが感染した神経細胞の細胞質にはタンパク質が蓄積し、この蓄積が神経細胞死の誘導及び脳炎の発症に関与する。近年神経変性疾患において、タンパク質の核-細胞質間輸送機構の障害が、宿主タンパク質の細胞質内蓄積及び機能障害を誘導し、神経細胞死を惹起することが報告されている。 本研究では宿主の核-細胞質間輸送機構を病態形成の主軸として捉え、神経向性フラビウイルスによる核-細胞質間輸送の障害メカニズムを明らかにする。また輸送障害される宿主タンパク質の同定及び機能解析を行い、神経細胞死や脳炎病態との関連を明らかにすることで、フラビウイルス性脳炎の発症機構の解明を目指す。
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