機能や発現機構の異なる様々なサブタイプが存在する脂肪細胞は、全身のエネルギー恒常性維持や代謝調節を担う極めて重要な細胞である。脂肪細胞の分化および機能異常は代謝異常を引き起こし、肥満や癌などの疾患の原因となるため、脂肪細胞サブタイプ分化の制御因子の同定および制御機構解明が強く求められている。近年、脂肪細胞が肥満時の代謝記憶を維持することが示唆されている。本研究は、脂肪細胞において、刺激により形成された“細胞記憶”により分化や機能が制御され、代謝や免疫応答の変化を制御するという新規モデルを提唱し、“細胞記憶”により制御される脂肪細胞サブタイプ分化および機能制御機構の解明を目指す。
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