研究課題
特別研究員奨励費
水素以外の4つの異なる置換基を持つ4置換不斉炭素中心は、天然物や生物活性物質に広く見られる。しかし、その構築は不斉炭素中心が立体的に混雑していることから一般に困難であり、簡便かつ汎用性の高い手法が求められている。4置換不斉炭素中心の構築には、これまで反応性の高い有機金属試薬を使用する方法などが用いられてきたが、当量以上の排出物を必要とする点で問題がある。本研究では、単一では弱い力である分子間相互作用が相乗的に機能する水素移動型の触媒反応を開発し、立体障害を克服しつつ精密に分子の立体を制御することで、既存の触媒系では合成困難なキラル化合物を高い原子効率で創出することを目的とする。