異物代謝酵素に関する研究から、ゾウが哺乳類で普遍的に保存されている一部の代謝酵素を欠損している可能性が示唆された。ゾウは独自の酵素や代謝経路を進化させ、代謝を行っている可能性がある。一方で、依然として種特異的な異物代謝機構に関する研究が不足しており、希少動物であるゾウのさらなる減少につながる深刻な問題である。 本研究は、ゾウの代謝機構に関する理解を深めるため、以下の2つの側面に焦点を当てて実施される。1.未解明な異物代謝酵素とその機能について調べ、特異的な異物代謝酵素の発現と機能を明らかにする。2.異物代謝における腸内細菌叢の役割を明らかにし、腸内細菌叢を含めてた包括的な代謝機構の理解を深める。
|