低発熱な情報処理を目指して、磁性体中の磁化の波動であるスピン波を使ったデバイスが注目されている。しかし、現状のスピン波デバイスには、導波路形状による不均一な内部磁界の発生や伝搬長が短く大規模な回路の実現が難しいという課題がある。本研究では、磁気的な周期構造であるマグノニック結晶を導波路に利用することで不均一な内部磁界の発生を抑制し、デバイス間を伝搬長の長い光で配線することで、大規模化が可能なスピン波回路を提案する。具体的には、マグノニック結晶中のスピン波の閉じ込めを利用した論理演算素子の作製とスピン波-光変換が可能な構造の提案を行い、それらを組み合わせた光出力型スピン波回路の提案を目的とする。
|