多細胞生物の発生および再生過程において、組織や器官の形、骨格を決定する因子の1つに「モルフォゲン」と呼ばれる特定の化学物質やタンパク質の濃度勾配がある。四足動物の手足の発生の初期には、濃度勾配に応じて軟骨でできた骨格パターンが形成される。本研究では、一度欠損すると再生しない軟骨に着目し、再生医療の実現に向けて、手足の発生過程における生体内のモルフォゲン濃度勾配を模擬・厳密制御するマイクロ流体チップを新たに開発する。開発したチップを駆使して、モルフォゲン濃度勾配の制御下における軟骨を形成する細胞動態および軟骨の形態を解析し、数理モデル化することで自在に軟骨の形態をデザインする技術の創出を目指す。
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