近年、30% 超の外部量子効率と高い色純度を示す多重共鳴型熱活性化遅延蛍光 (MR-TADF)材料が注目されている。本研究ではMR-TADFの問題点である①濃度消光(ACQ)によるPLQYの大幅な低下、②水平配向性が低く、外部量子効率の大きな効率の伸びしろがある、③逆項間交差(RISC)の速度定数(kRISC)が小さく、遅延蛍光寿命が百マイクロ秒程度と長い、④有機ELデバイスでの高輝度領域での効率低下、素子寿命が短いといった点に対し独自の材料とデバイスを開発することで問題解決を図る。特に材料設計としてはねじれの導入、異方性の向上、電子構造の精密制御に取り組む。
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