腸管に散在する腸内分泌細胞(EEC)は、さまざまなホルモンの分泌を通じて全身の生理状態を調節する。EECからのホルモンの分泌は個体レベルの行動により影響される。この際、脳神経系に由来するシグナルによってEECからのホルモン分泌が制御される可能性が指摘されているが具体的に解明された報告例はない。本研究では、ショウジョウバエにおける脳神経系由来ドーパミンとEECからのペプチドホルモンの放出との関係性に注目し、脳神経系―腸内分泌細胞軸による全身の生理状態の制御機構を解明する。また、この解析の実現の一環として、ショウジョウバエの微量体液からのNPF定量系の確立とそれを用いた内分泌学的解析を実施する。
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