ポリエチレングリコールなどの高沸点溶媒を用いた酸加溶媒分解で得られるリグニン由来物は、媒体による誘導体化により、高い熱流動性などの機能を有する。酸加溶媒分解では誘導体化する媒体の種類によって工業リグニン誘導体の物理化学特性が制御できる。本研究の目的は高沸点溶媒中での酸加溶媒分解によって「溶解性、相溶性に優れた」工業リグニン誘導体を作成し、製造効率と加工性に優れた高機能材料を開発することである。そこで高沸点溶媒として様々なグリコール系媒体を用い、各媒体における酸加溶媒分解の反応性の評価と、得られる工業リグニン誘導体の物理化学特性を明らかにする。
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