本研究は帝国議会開設前後の代議制論を題材に、代議制民主主義を作動させる条件を検討する。方法としては政治史的文脈および思想的文脈の双方を加味したテキストの質的分析により、思想家の意図を 明らかにすることを主たる目的としながら、それに加えて思想家の読書歴や交友などを周辺史料により明らかにすることで思想家の思想形成も検討する。代議制民主主義の成立上、特に重要なトピックを扱うために、大きく分けて 4 つの短期目標を設定する。①身分制と選挙権の範囲をめぐる検討、②少数代表論(比例代表)の検討、③代議制下の政党の存在価値をめぐる検討、④代表される人民の範囲をめぐる検討。
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