宇宙マイクロ波背景放射(CMB)はビッグバンに由来する観測可能な最古の電磁波である。CMBは初期宇宙の情報を内包しており、特にCMBの偏光状態はインフレーション理論を実験的に実証する有力な手がかりとなる。 本研究の中心となる低温偏光変調器は、偏光信号と無偏光信号を分離する光学装置であり、これを用いることで微弱な偏光信号の検出が可能となる。世界的に前例の少ない大口径の偏光変調器を広い周波数帯の望遠鏡に実装し、そのCMB観測データを解析することで、先行研究を上回る精度のCMBの偏光探索の成果を発表することを目標とする。
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