数十から百数個程度の原子数で構成される金クラスターはサイズ特異的な触媒能を示す。金クラスターの新奇反応性を活用した触媒反応の開発が期待されるが、触媒反応下での耐久性が不十分であることが多く、適用できる反応条件に現状限りがある。 本研究では、配位子と固体担体間の非結合的な相互作用を用いて配位子の選択的脱離を試みることで、一部の配位子をアンカーとして残留させつつ活性点が露出した高活性かつ高耐久性触媒を調製し、新反応や難反応に対する金クラスターの反応性の探索を行う。分光実験と理論計算による構造評価に基づき金クラスターの構造と触媒性能の相関を解明し、金クラスター触媒の活性向上に必要な因子を体系化する。
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