全球の7割を占める海洋はいつの時代も炭素貯蔵庫として重要な役割を果たしてきたが、分析手法の定量化が困難であることから、その見積もりはこれまで正確に行われていない。本研究では、大気CO2濃度変動に海洋が炭素リザーバーとして果たした役割を理解することを目的に、大気中のCO2濃度の低下とともに第四期の寒冷気候システムへと変化した北半球氷河拡大期を中心に、当時の海洋深層における炭酸塩循環の復元を定量的に行う。そのため、新たに開発されてきたマイクロフォーカスX線CT(MXCT)法を用いて、海底堆積物中の浮遊性有孔虫殻溶解度から炭素貯蔵量変動を解析し、北大西洋の炭素貯蔵庫としての役割を定量的に推定する。
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