建築設計を行う上で,「空間」が人々の歩行や動作といった「振舞」に及ぼす影響は最も考慮すべき要素の一つである.しかし,空間の特徴と人々の振舞との関係に着目した数理的研究は,建築空間の幾何学的性質から人間への影響を類推する手法にとどまっている.その背景として,建築空間においては都市空間における解析に比べて詳細な振舞データを取り扱う必要があることが挙げられる.そこで,本研究では,人々の振舞を直接的に観察したデータに基づく建築空間の数理的評価を目的とする.これを実現するため,建築スケールで人々の「振舞」から「空間」の影響を逆推定する数理的手法を構築する.
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